第117回企画展 「絵巻にみる日光」

平成18年6月8日(金)平成18年8月10日(水)

   日光山の絵巻

 
輪王寺の宝物の中には絵巻も数多く残されています。では絵巻とはどのような物なのでしょうか。
 絵巻とは文章と絵を交互に巻物に描いたものであり、説話や物語が中心となっています。特に平安時代から鎌倉時代以降に盛んに作られました。
絵巻の種類は大きく分けて、宗教的絵巻、鑑賞的絵巻の2つがあります。
 宗教的絵巻は、仏教経典などを絵解きした経典(仏典・装飾経)、寺社の創建の由来や御本尊の霊験について描かれた縁起類(寺社縁起)、その宗教に関連した人物の逸話を書いた高僧伝などです。
 鑑賞的絵巻には、物語・日記類などを描いたものや、怪奇・滑稽話、室町時代を中心に作られた御伽草子を描いたもの、戦記、和歌の人物や風景を描き並べた、記録類などが挙げられます。中には『鳥獣人物戯画』(京都・高山寺所蔵)のようにどの種類にも分類されない絵巻もあります。
 輪王寺にある絵巻はその大部分が宗教的絵巻です。
 日光開山の様子を描いた『日光山縁起絵巻』、初代将軍の徳川家康公が東照宮へ祀られるまでが描かれた『東照宮縁起絵巻』等、主に日光山の歴史、携わった高僧伝などが見られます。
日光山の各堂社においては、現在とは異なる場所に配置されていた事等もみてとれます。また、仏典・お経に関しては現在までに膨大な数が納められています。種類も様々で小さなお経、東照宮、大猷院の法要の際に奉納された豪華な装飾を施したお経等、今回はその中から数点を展示しました。
  今回は絵巻に描かれた堂社、経典、関連人物や行事等を中心として日光山の歴史をご紹介していきたいと思います。



展示品のご紹介

※ 出陳展示什宝は、予告なく変更する場合があります。


【重要文化財】
いたええんのぎょうじゃはちだいどうしぞう
板絵役行者八大童子像
(輪王寺蔵)


じげんだいしがぞう
慈眼大師画像
(輪王寺蔵)
 


あおがいずりきょうばこ
青貝摺経箱
(輪王寺蔵)



にっこうさんこえず
日光山古絵図
(輪王寺蔵)

上記を含め、約60件の什宝を展示しております。
詳しくはお問い合せ下さい。 
電話 0288−54−0531


コ川記念財団常設展示
ご あ い さ つ 

〜コ川記念財団 常設展示にあたって〜
コ川宗家 第十八代当主
(財)コ川記念財団   
理事長 コ 川 恒 孝
 江戸幕府開府400年に当たる平成15年(2003)4月に、多くの方々から御支援を頂いて、財団法人コ川記念財団を設立いたしました。
 コ川宗家(将軍家)伝来の歴史資料を保存、管理するとともに調査研究し、公開することを目的として設立した財団の常設展示を、コ川家と関係の深い日光の地でできますことは、大変喜ばしく思います。
 季節ごとにテーマを決めて、日光山輪王寺宝物殿の所蔵品とともに、コ川記念財団の所蔵品を一堂に展示することで、江戸幕府にとって日光が果たした役割や意味を、改めて考えるきっかけとなれば幸いです。


歴代将軍の領知判物


 領知判物とは、将軍や大名が自らの花押(書判)をもって、所領の宛行い【あてがい】や安堵を行う文書のことを指します。江戸幕府は、十万石以上の大名や、官位の高い(四位侍従以上)の大名・旗本、一部の門跡寺院や大寺院には将軍の花押を記した領知判物を、それ以外の大名・旗本・寺社などには朱印を捺印した朱印状を、領内郡村を記した領知目録を添えて交付しました。
 この制度は、江戸時代、全国の土地・人民はすべて将軍の統治権のもとにあり、諸大名・旗本・寺社などの統治権は、幕府からその一部を預けられたもので、私有のものでは無いという支配体制の原則をあらわす象徴的な行為でした。発給された領知判物や朱印状は国元に保管されることによって、その地域を支配する正当性の源泉となりました。
 最初の発給以後も、将軍の代替わりごとに新たに判物・朱印状が一斉に発給され、また大名などの家督相続も、幕府からの本領安堵の朱印状を下賜されて初めて領有権の継承を許されました。
 今回の展示では、初代徳川家康公から十四代家茂公にかけて、歴代の将軍が発給した領知判物を展示し、260年の平和な時代を支えたシステムについて考えたいと思います。

展 示 品 目 録
徳川家康判物 (慶長18年)
徳川秀忠判物 (元和3年)
徳川家光判物 (寛永10年)
徳川家綱判物 (寛文5年)
徳川綱吉判物 (貞享3年)
徳川吉宗判物 (享保3年)
徳川家重判物 (延享4年)
徳川家治判物 (宝暦12年)
徳川家斉判物 (天明8年)
徳川家慶判物 (天保10年)
徳川家定判物 (安政2年)
徳川家茂判物 (安政7年)

このページを閉じる