【過去の特別展】

【お陰様で好評の内に終了いたしました。】


 第124回企画展 「宝物の中の動植物」

平成19年8月10日(金)平成19年10月10日(水)

 動物や植物は、古代から人間にとって身近な存在であり、現在まで信仰・趣味・食・飼育など様々なかたちで生活の中に浸透しています。
 古代日本では、狐・猿・蛇・鹿など多種多様な動物が神格化され、信仰の対象とされていました。それらの動物の怒りは厄災をもたらすと考え、神として祀り祈願する事で厄災を免れようとしていました。その後、特定の神の使者(または眷属)として崇拝される様、信仰形態は変化しますが、古来動物は人間にとって狩・食の必要性を持つ反面、信仰対象として恐れられていたのです。

 外国との交易によって、日本に入ってきた動物像もあります。中国の影響を受けて、虎や獅子、実在しない龍等の動物像が仏画・絵画にも取り入れられています。
 江戸時代には、諸外国から珍しい道具や珍鳥獣・食べ物が輸入されます。ラクダ・象・虎などの大型動物から鳥・犬など小型のものまで様々な動物が輸入され、将軍へ献上されるものもありました。
東照宮内に彫られている象などは、長崎から江戸城へ来る道中、庶民に対しても充分な見世物となりました。権力者しか見る事の出来なかった動物も、徐々に庶民にも見世物小屋での見物が出来る様になり、鼠や犬の動物芸も行われました。鳥や犬・金魚・昆虫類は一般家庭でも身近に置いて楽しむための飼育が行われるようになり、鑑賞する趣味も広がります。
またこの時代、園芸も広まり、多くの人々の園芸趣味が多様な品種の植物を生み出しました。俳諧・狂歌などの愛好者のため、詳しい形などを写実的に描いた植物図鑑や動物図鑑の類も作られました。また、本草※1)学者によって多様な図譜が作製されたのも同じ頃です。地域によって名称の異なる動物呼称の整理調査のために図が必要でした。幕府によって行われた諸国名産物調べでも、解りにくいものには写実的な絵が描かれています。西洋の動物図譜が輸入されると、西洋人の描く動物図の模写の他、顕微鏡での観察なども行われるようになりました。こうした事から、江戸時代は動植物の研究が大きく発展した時代といえます。

 輪王寺所蔵の宝物は、東照宮(徳川家康公墓所)・大猷院(3代将軍徳川家光公墓所)への献上品などが主となりますが、それらには豪華な装飾や様々な細工が施され、中には草花・昆虫・動物などのデザインが仏画や経典などに描かれていることもあります。また植物は様々な部分に使用されており、細かな描写のもの、唐草に草花をあしらったデザインなどが数多く見られます。

 今回の展示では、江戸期を中心に、動植物を使用した
宝物をご紹介していきたいと思います。


※1)中国の薬物学で、薬用とする植物、動物、鉱物について、その形態、産地、効能などを研究するもの。植物が中心で、本草という名称も「草を本とす」ということに由来するという。



展示品のご紹介

※ 出陳展示什宝は、予告なく変更する場合があります。


ぎょ
日光山輪王寺蔵




日光山輪王寺蔵


馬面
日光山輪王寺蔵



網代笠
日光山輪王寺蔵
上記を含め、約60件の什宝を展示しております。
詳しくはお問い合せ下さい。 
電話 0288−54−0531


コ川記念財団常設展示
ご あ い さ つ 

〜コ川記念財団 常設展示にあたって〜
コ川宗家 第十八代当主
(財)コ川記念財団   
理事長 コ 川 恒 孝
 江戸幕府開府400年に当たる平成15年(2003)4月に、多くの方々から御支援を頂いて、財団法人コ川記念財団を設立いたしました。

 コ川宗家(将軍家)伝来の歴史資料を保存、管理するとともに調査研究し、公開することを目的として設立した財団の常設展示を、コ川家と関係の深い日光の地でできますことは、大変喜ばしく思います。

 季節ごとにテーマを決めて、日光山輪王寺宝物殿の所蔵品とともに、コ川記念財団の所蔵品を一堂に展示することで、江戸幕府にとって日光が果たした役割や意味を、改めて考えるきっかけとなれば幸いです。

十四代家茂公の書と遺品
 徳川家茂公は、僅か13歳で第十四代の将軍職に就任し、大坂城の陣中21歳で亡くなるまでの8年間、激しい外圧の中で混迷する日本を如何に導くかを必死に考え、苦しみ抜いた英邁な若き将軍ですが、その事実は残念なことに、あまり知られていません。
 日本の分裂を回避するべく行われた「公武一和」の中で、17歳の家茂公は同い年の皇女和宮様と結婚し、以降二人は皇室・幕府夫々の立場を踏まえつつも互いに労り、助け合い、励ましあって難局に当たりました。和宮様の兄である孝明天皇の深い信頼を得て、家茂公は幕府の権威を保ちつつ新しい日本の姿を模索する中で病に倒れましたが、その人柄は多くの人に強い印象を残し、最後の大樹公と呼ぶに相応しい将軍として深い敬愛の的となりました。余りに若い死でした。
 今回の展示では、十四代家茂公の書と遺品を通して、幕府にとって最も困難な時代の舵取りを担うことになった若き将軍の姿を、感じて頂ければと思います。

 
展 示 品 目 録
銀製花鳥懐硯
懐中和時計
ギヤマン七夕飾文具
 「鶴雲」
「神心怡静」
 「老鶴萬里心」
「風静語丹鶴」

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