日光山輪王寺

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法話

最澄上人ご遺誡

最澄上人ご遺誡

 

輪王寺 教化部長

菅原道信

 

天台宗祖師伝教大師最澄上人は浄土に旅立たれる折、「怨みをもって怨み報ぜば怨み息まず。徳をもって怨みに報ぜば怨みすなわち尽く。」とのご遺誡をのこされました。これは「怨みに対して怨みで返せば際限はない。しかし徳で返せば怨みは終わるのだ。」という意味です。

 

仏教では「怨み」は、三毒と呼ぶ三つの苦しみの原因の一つ「瞋恚(しんい)」とされ、四苦八苦の八苦の中の「怨憎会苦(おんぞうえく にくしみあう者同士が会う苦しみの意)」とあるように、人間が持たざる得ない苦ととらえます。

 

最澄上人は、この苦を滅するには徳を使いなさいと言われました。

 

では徳とは何でしょうか。

 

それは「忘己利他」の精神です。上人は、「人に怨まれたら、優しい気持ちで赦してあげて、慈悲の心で尽くしてあげなさい。」と言っておられるのです。

大無量寿経というお経に「和顔愛語」という言葉があります。これは布施行(ふせぎょう)という仏道修行にも通じる真理であり、「おだやかな顔と思いやりのある話し方で人に接しなさい」という教えです。

 

人づきあいの際はこの「和顔愛語」を忘れないことが肝要です。それでも行き違いがあり、もしも怨まれてしまったら、「忘己利他」の精神でお付き合いしてみてください。それこそが最澄上人のお心にかなうことであり、やがて怨みは息んでいくことと存じます。

因みに本年(令和三年)六月四日は、伝教大師千二百年大遠忌の御祥当忌に当たります。

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