日光山輪王寺

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法話

永遠の命

永遠の命

輪王寺 執事長
                     今井昌英

 

 あるSFドラマのクライマックスで、アンドロイド(人型ロボット)が人間の主人公に語ります『人間の命は永遠ではありません。しかし人は、限りある命をお互いに慈(いつく)しみ、愛情や友情で支え合い、永遠につながり続けることができるのです』と。本物の人間になることを夢見ていたアンドロイドはそう言い遺し、敬愛する主人公の危機を救うために自己犠牲の道を選び、ついに帰ることはありませんでした。

 さて、8月13日から始まる盂蘭盆(うらぼん)の4日間は、ご先祖の御霊(みたま)が家に還(かえ)ってくる期間です。こうした風習はアジア圏だけのものだと思っていたら、先日、友人の薦めで『リメンバー・ミー』というディズニー映画を観て、その舞台であるメキシコにも、日本のお盆と同じような「死者の日」と呼ぶ行事があることを知りました。亡くなった大切な方たち思う気持ちは、洋の東西を問わず、宗教や人種を超えて共通なのだと感じます。

 生命の起源は今から36億年前といわれ、それから気の遠くなるような「命のバトンタッチ」の果てに、私たちは今、命を頂いています。

 逆に振り返れば、私たちの一番身近な先祖は2人の両親です。そして祖父母が4人、曾祖父母は8人と倍数で増えて行き、20代さかのぼると、その総数は200万人を超えます。もし、そのうちの誰か一人でも欠けてしまったら、私たちはこの世に生まれることができません。それぞれの限りある命も、見方を変えれば過去から未来へと永遠につながっていると気付きます。

 仏教では『法華経(ほけきょう)』の如来寿量品(にょらいじゅりょうほん)に「永遠の仏さま」が説かれます。これは「悟りの世界は永遠で消えることがない。だから安心して、悟りの世界に向かって常に正しい努力を続けなさい。そうすればいつか必ず心の完成を得、迷い苦しみを乗り越え、絶対静寂の境地を得ることが出来ますよ」という教えです。

 もうすぐ始まるお盆の4日間は、私たちの命をつないで下さったご先祖様や、親しかった人たちに思いを馳せるひとときです。「永遠の命」を感じつつ、限りある今の命をお互いに慈しみながら、心穏やかに過ごしたいものですね。

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