日光山輪王寺

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宝物殿

新春の趣――輪王寺宮と将軍の書画

日光山輪王寺宝物殿 所蔵品展

新春の趣――輪王寺宮と将軍の書画

2021年12月10日(金)から 2022年2月 8日(火)まで

 

ごあいさつ

 

日光に厳しい寒さが訪れるころ,輪王寺でも,行く年を送り,新しい年を迎える準備が始まります。

現在,東照宮・二荒山神社,そして輪王寺を一括して「二社一寺」と通称します。江戸時代の「一寺二社」は「日光山」と総称され,皇族出身の輪王寺宮(りんのうじみや)が治めていました。輪王寺宮は比叡山・東叡山(寛永寺)・日光山を兼ね,三山管領宮(さんざんかんれいのみや)と呼ばれます。ふだんは江戸上野の寛永寺で過ごしていらっしゃいましたが,正月・五月・九月には日光を訪れ,それぞれの行事に臨みました。

こうした体制を整えたのは天海大僧正です。天海大僧正は慶長12年(1607)に比叡山探題に就き,慶長18年には家康公から日光山貫首に任命されます。寛永2年(1625)に寛永寺を創建。比叡山・日光山を兼ねて皇族の門跡を迎える構想は,天海大僧正の没後に初代輪王寺宮となる守澄法親王をお迎えし,ようやく実現を見ました。そのなかで日光は,江戸幕府を開創した徳川家康公を祀る徳川家の聖地としてたいへん重視されました。

このような歴史を持つ輪王寺には,江戸幕府歴代将軍だけでなく,輪王寺宮直筆の書画が多数残されています。今回はその中から,正月や新春にふさわしい宝物をご紹介します。輪王寺宮が新年の吉兆を祈ったこの季節,天下泰平・五穀豊穣をお祈りいただければ何よりの幸いです。

 

 

 

 

令和 3年12月  

輪王寺宝物殿 

 

【主な展示品】 ☆国宝 ◎重要文化財 ○栃木県指定文化財

  ☆大般涅槃経集解 第39巻            1巻        平安時代

  ◎鋳銅半肉千手観音像     1面        平安時代

  慈眼大師画像 松に鶴    1幅        江戸時代

    天真法親王御筆 金字普門品 1巻            江戸時代

  徳川慶喜筆 秋江五行詩 1幅        明治時代

 ○朝鮮通信使奉納 祭文    1点        乙巳年(1655)

  徳川家重筆 注連に鶯の図           1幅        江戸時代

  北白川宮能久親王筆 陽春布徳澤 1幅       明治時代

公益財団法人德川記念財団常設展示         

*日光山輪王寺宝物殿は德川記念財団の特別協力館です。

 

 

新春を寿ぐ吉祥

ご 挨 拶

 

冬の厳しい寒さの中でも常緑を保つ松と竹、他にさきがけて美しい花を開き春の到来を告げる梅、これらは「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」として中国の文人に愛され、画題としても好まれてきました。日本においては「松竹梅(しょうちくばい)」と呼ばれ、常緑樹で樹齢が長い松は長寿の、次々と新芽を出す竹は子孫繁栄の、厳しい寒さの中多くの実を付ける梅は忍耐力や生命力の象徴とされ、新春を迎えるのに欠かせない存在となっています。

 このように吉祥の意味を持つものは、植物だけではありません。動物もまた、物語や伝説、動物の特徴と結び付けて、縁起物の象徴とされてきました。たとえば、兎は月の中に住み、不老長寿の薬を搗(つ)くという伝説から長寿を象徴する動物として親しまれました。また、実際に寿命が長いことから亀も長寿のしるしとされます。

 こうした縁起が良いとされる植物や動物は、時代を問わず多くの人々に親しまれ、様々な美術工芸品のなかに登場します。新年にあたり、本展示では吉祥の意味を持つ動植物に注目して、徳川宗家ゆかりの品々をご紹介いたします。

 

令和3年12月

公益財団法人 德 川 記 念 財 団

 

 

《常設展案内》※展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。

 

  • 日光山輪王寺宝物殿(次回)

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  • 久能山東照宮博物館

令和31211日(土)~令和428日(火)「七福神」

 

 

 

公益財団法人

〒151-0065 東京都渋谷区大山町37-6  TEL03-5790-1110・2620

                ホームページ http://www.tokugawa.ne.jp  

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