日光山輪王寺

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法話

「福田(ふくでん)」

「福田(ふくでん)」

 

教化部長 菅原 道信

 

お釈迦様は、「他者に恵みを施す人には、やがてその功徳をもって、その人自らにも福を生じさせるであろう」と説かれたといいます。

仏教では、これを「福田(ふくでん)」と名付けます。

田に蒔いた種がやがて収穫を迎えるかの如く、施すことで仏果を得させる人、及びその善行を意味します。

日光山輪王寺の新年行事のひとつ「毘沙門堂縁日」では「福銭貸し」が行われます。財宝富貴を司る毘沙門天縁起のお金を財布に入れて使うことにより、巡り巡って「福」がやって来るという、所謂「福田」信仰に基づくものです。

また、当山「節分追儺式」並びに「強飯式」折に行われる「がらまき」は、福を授けられた受者が他者に恵みをお裾分けする行事ですが、「福田」信仰で考えれば、受者自らに再度「福」が舞い戻るという事になります。

伝教大師最澄上人が提唱された「忘己利他」とは、「自分ではなく人の為に尽くしなさい」という意です。自分をさておき他者に尽くす行為は、巡り巡って自らを菩薩に導きます。

「福田」とは、善を修することで仏になれるという仏教の根本原理を、お釈迦様が判りやすく説いたものだと言えるでしょう。

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