日光山輪王寺

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逍遥園

逍遥園について

日光の紅葉の名所として有名なこの「逍遥園」は、1200年の歴史を持つ輪王寺門跡の庭園として江戸時代初期に作庭されたもので、一説には小堀遠州(こぼりえんしゅう)の作と伝え、その完成を見たのは寛永年間ですが、その後たびたび改修が繰り返され、江戸時代全般にわたる変化が見られる興味深い名園であります。

今、わずかに中の島と滝の石組付近とに江戸初期の面影を残していますが、文化12年(1815)には大改造され面目を一新、さらに明治時代に一部改作され、ほぼ現在の景勝となったものとされています。

明治9年(1876)6月、明治天皇の東北御巡幸の際には、木戸孝允らを随え、この逍遥園に在った「輪王寺本坊」に三泊され、二社一寺をはじめ中禅寺方面まで御視察になりました。丁度、神仏分離の混乱の時で「旧観を失うなかれ」という有名な言葉を残されました。その3年後にはアメリカ大統領となったグラント将軍も泊られ、庭園を心ゆくまで観賞されております。

 

規模と形式

面積は3200平方メートル(約1000坪)で、東西に細長くひらけ、東から御霊殿・聖蹟之間・宝物殿・紫雲閣と、どの位置からも観賞出来る「池泉回遊式」の庭園となっております。

借 景

庭園全体の造りは、南西部を築山として、南方の鳴虫山(なきむしやま)と西方の男体山(なんたいさん)、北方の女峰山(にょほうさん)・赤薙山(あかなぎさん)の山々を借景にしており、春夏秋冬は言うに及ばず朝夕の変化もまた素晴らしいものです。

 池割は東西に長く、「竜地(りゅうぢ)」様式の池を掘り、中島(なかしま)を中央に、これに橋を架け、東に竜組を作って水を落し、西南に出水口(でみずぐち)を作り、池の東を細長く、西は広く、紫雲閣付近から鑑賞の形式が取られて居ります。池泉を細くしたのは、北側から鑑賞が出来るようにしたためで、この池泉を回遊するように一本道を作って巡らしております。

庭 石

園内には立派な石組がありますが、使われた石材は全て日光付近の山石及び川石で多くの種類があり、五尺八寸の蓬莱石、その他の巨石などは江戸初期の手法と伝えられております。

植 栽

庭木は、イチイ・キャラ・カエデ・ツゲ・アカマツ其の他三十数種が入り交って植えられております。また、この庭は関東サツキの発祥の地でもあり、サツキ・ツツジの類も多くございます。

サツキ、大盃(おおさかづき)を主にした刈り込みは、江戸中期の作風で、サツキの「晃山(こうざん)」「日光」「輪王鶴(りんのうづる)」などの原種はこの逍遥園が発祥の地です。

紅 葉

 この逍遥園のもみじは、この勝れた庭園を色どって鮮やかですが、数多くの品種があり、素晴らしい構成になっております。イロハもみじ、千染(ちしお)、瓜膚楓(うりはだかえで)、野村楓(のむらかえで)、ヤマモミヂ、一行院(いちぎょういん)、出猩々(でしょうじょう)などなど、日光全山のもみじのコレクションを一園に会せしめたと申しても過言ではございません。

 

 

見どころ

これら観賞どころの一端を、佐藤一斉の著した『逍遥園記』から引用してみますと、『園内には琵琶湖の近江八景を模した大池があり水清くたたえ、その水面に空の雲と囲りの木立が映し出される様、ならびに夕月が東から上って池の嶋の付近の樹木を照し出して、水面にうつし出される様は格別。嶋にかかる石の小橋を渡りつつ観賞されるあたりのたたずまいは、別天地に参ったような感慨を深める。』とあります。

池をめぐる小径をそぞろ歩きして、いろいろの植物の緑や花・紅葉をめでるのも大変結構で、池の西には小高い丘が造られており、そこから男体山が眺望できますし、西岸の亭あたりからの全景も時の過ぎるのを忘れさせてしまいます。

園内には主たる観賞どころが八ッありますが、四季の移り変わりの時々に従った諸方の山々、森の木立、或は湧く雲とか、霧の風情、紅葉の夕照りなど何時参ってもよい処であり、ここに逍遥して時を過ごすことは、まこと禅の寂の精神に合致するように思われますので、「逍遥園」と名付けたものであります。

 

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