2020年11月24日法話
「本堂執行のひとりごと」
輪王寺 本堂執行
中里 卓雄
輪王寺のお庭、逍遙園の秋季ライトアップは、元々秋の紅葉シーズンに交通渋滞で拝観時間にたどり着けなかった方のために始めたサービスですが、お陰様でこの10年間で関東首都圏では結構周知されてきました。
池に映る紅葉はそれは見事なものです。ライトを照らすのも、上からと下からじゃ同じ風景でも全然見え方が違うんです。
人や物事に対しても、上から目線、下から目線ってあるでしょ。下から目線ってあまり使わない言葉ですかね。でも下から目線ってすごく大切なんですよ。
例えば、困っている人がいたら、助けてあげるんじゃなくて、助けるっていう事なんだと思うんです。よく「○○してあげたのに、何のお礼もない。」とか云う人いるじゃないですか。結局、してあげる人って見返りを期待してしまうんですよね。
天台宗では布教活動の一環として「一隅を照らす運動」というのを毎年実施しています。本来の意味とはちょっと違いますが、一隅を照らすのも、下から照らす方が同じ世界でもより美しく見え、素晴らしくなると思いませんか?