2023年08月01日法話
夏の思い出
財務部長
貴船 慈浩
青い空・蝉の声・お線香の香り
キュウリとナスで作った馬と牛
庭先で行う『迎え火』と『送り火』
お盆になると私の実家では、庭の畑でとれたキュウリとナス、そしてほおずきが仏壇に
お供えされていました。
キュウリの馬とナスの牛を『精霊馬・精霊牛』と呼びます。
なんでキュウリとナスに足がついているの。
そう尋ねると、ご先祖様が帰ってくるからよと教えてくれました。
みんなに早く会いたいから、来るときは足の速い馬に乗ってやってきて、
帰るときはゆっくりと、お土産をたくさんもって牛にのってかえっていくの。
それじゃ、このほおずきは? ちょうちんみたいに綺麗で、ご先祖様もよろこぶでしょ。
庭先で火を焚くのは、ご先祖様が道に迷わないように目印にしてもらうためよ。
いつも送り火を焚くのは、自分の役目でした。
ヒグラシが鳴く夕方に、その煙をみて何故か寂しい気分になりました。
そんな風景が今でも思い出されます。
先日、父が亡くなる前にこんなことを言っていました。
『俺はもうすぐ卒業だな・・・』と。
数日後、その言葉のとおり卒業していきました。最後まで立派な父親でした。
きっと今年のお盆には新入生として帰ってくることでしょう。