お知らせ

2024年01月01日法話

「お坊さんのつぶやき」

本堂執行 荻原貞宣

私が過去に教員であった時にある生徒が質問をしてきました。
「先生、あけましておめでとうって何がおめでたいの?」
私もよく知らずに、なんとなく慣習として言っていましてので、改めて聞かれますと答えられず冷や汗をかいたのを覚えております。
後日、答えるためにあわてて調べたのを思い出します。
日本の神様たちは秋や冬になると山に帰るそうです。秋の落ち葉や冬の閑散とした景色はなにかさびしい気がしますよね。ですが、新年を迎えるとその神様たちは再び地上に降りてきて生命をもたらし、春を迎える準備をするそうです。その神様たちの中には、私たちの御先祖様もいらっしゃいます。普段は山の上から私たちの暮らしを眺めて見守っていますが、年明けに私たちの家に降りてくるのだそうです。
それを「年神様(としがみさま)」というそうです。その年神様は、家や田畑の安全を一年間お守りになって頂けるのだそうです。ですので「年神様」を気持ちよくお迎えするために、12月に大掃除を行うのですね。
また、私たちの家に来るのに迷わないように山から採ってきた松を門の前にかざり、家を神聖な空間にするために秋に収穫された稲(いな)ワラで「しめ縄」をつくり、神棚には鏡餅をお供えするのです。

 つまり、何がおめでたいかというと、私たちの家をお守りして頂ける「年神様」が山に一度帰ったあと生まれ変わって、私たちの家に降りてきていただけるので、「明けましておめでとうございます」となるのだそうです。
あの当時、これくらいしっかりと答えられていましたら、よかったのにと思うばかりです。
さてさて、お寺なのになんで神様の話を書いているのかといいますと、昔は神様も仏様も分けられていませんでした。同じように大切に拝まれていたのです。
輪王寺の本堂にいらっしゃる三体の仏様はそれぞれ、日光の山の神々もあらわしているのです。千手観音様が男体山、阿弥陀如来様が女峰山、馬頭観音様が太郎山という形で。
日光の社寺は日本の国の鬼門を封じ、江戸の町を守護する真北に置かれました。お家の年神様を祝いつつ、国やすべての人々を見守る日光の社寺に御参拝頂ければ幸いです。

「あけましておめでとうございます」
皆様方の御健康とご多幸をお祈り致します。