探幽とふたりの将軍
日光山輪王寺宝物殿 特別展
2024年9月27日(金)から11月 26日(火)まで
日光にはふたりの将軍が祀られています。ひとりは江戸幕府を開いた徳川家康公,もうひとりは三代将軍の家光公です。
家康公はお亡くなりになる前「死後は自分を日光に祀れ」と遺言しました。その家康公を神様としてどのように祀るかには議論があったようですが,それを主導し,まとめ上げ,東照大権現の神号に導いたのが天海大僧正でした。
三代将軍家光公は,病に伏せっていた幼少のころ,家康公の調合した薬によって快方に向かった経験もあり,家康公を深く敬愛していました。家光公が夢枕に立った家康公の姿を幕府御用絵師の狩野探幽に描かせたのはよく知られています。そして家光公は,天海大僧正とともに東照大権現の荘厳に尽力し,寛永13年(1636)の家康公二十一回忌法要に際して日光山の堂社を一新し,現在の日光の景観の基礎を築きました。
今回は,家光公が家康公の姿を狩野探幽に描かせた東照権現像(霊夢像)をはじめ,家康公・家光公・天海大僧正にまつわる宝物を展示しました。また,天海大僧正がお手元に置いたと伝わる源氏物語屏風も揃って初めて展示いたします。
家康公・家光公・天海大僧正,そして家光公に仕えた狩野探幽の残した作品を他ならぬこの日光でお楽しみ頂ければ何よりの幸いです。
令和 6年9月
輪王寺宝物殿
【主な展示品】☆国宝 ◎重要文化財 ◇初出陳
◎東照権現像(霊夢像)狩野探幽筆 1幅 寛永20年(1643)
梅に鶯の図 狩野探幽筆 1幅 江戸時代
徳川家光公画像 1幅 江戸時代
◇源氏物語屏風 伝慈眼大師所用 6曲1双 江戸時代
◇装飾法華経 3巻 江戸時代
慈眼大師画像 1幅 寛永20年(1643)
☆大般涅槃経集解 巻47 1巻 奈良時代 国宝
重要文化財
東照権現像(寛永20年8月22日)
徳川家光公画像
源氏物語図屏風(左隻 澪標)